粋だねぇ
2017.12.25 Monday
ハマりやすい私は寅さんを観まくってます
都度、気になったシーンを…と言う訳にはいかないので
気が向いたらちょくちょく暇つぶしに紹介しようかと…。
と、言う事で第48作『寅次郎紅の花』の最後の方のシーン
多分、ファンの方の間ではお決まり?有名な?シーンやと思うけど…。
第48作公開の8ヶ月後に渥美清が亡くなるので実質最後の作品となり、
この作品自体もドクターストップの中の撮影だったみたいで、
前書いた第6作の時みたいに動き回る寅さんは見れず、
殆ど座っているシーンか動いているシーンが無い。
その中で、
過去3作に出演した浅岡ルリ子演じるマドンナ、リリーとの恋沙汰が描かれている。
その登場作品をまだ観ていないので、関係性が分かりませんが…。
作品の中で他のマドンナとは思い入れが違い、結婚まで考えるくらいの仲なのでしょう。
妹さくらや周りも寅さんとリリーとの結婚を願い、本人らもまんざらでも無い様子。
けどお互い?寅さんが?素直になれず結婚には至らず。
そんな背景でのラストシーン
奄美大島に移住したリリーに世話になった寅さんが柴又にリリーと共に帰宅し数日過ごす。
リリーが奄美大島に戻る前日、意地を張っている寅さんは部屋にこもり挨拶に出てこない。
何とか結婚してほしい、さくらは寅さんを説得を試みるが…。
■さくら
「リリーさんはお兄ちゃんと一緒に帰って欲しいんじゃないの?」
■寅さん
「お前たち何か誤解してるんじゃねぇのか?
俺とリリーはそんな間柄じゃねぇんだよ」
と、頑なに言う事を聞かない寅さんにさくらが、
「一緒になってもらうのが夢だった」と初めて胸の内を告白。
ただただ黙って聞いていた寅さん「余計なお世話だ」と雑な返事。
そんな分からず屋の寅さんを見限り、さくらはリリーの元へ…
リリーに状況を説明しリリーとの別れ…。
すると二階から下りてきて寅さん「リリー送るよ」と一言。
タクシーまで二人の会話は無く、リリーが乗り込む時に振り向き
■リリー
「さようなら寅さん。元気でね」
■寅さん
「・・・・・・・・」
と、寂しく乗り込むリリー。
すると、無言でタクシーに乗り込む寅さんに・・・・
前振りが長くなりましたが…ここからが本題w
■リリー
「あらぁ寅さんも乗るの?」
■寅さん 顔色一つ変えず淡々と
「かよわい女を一人淋しく旅立たせる訳にもいかねぇだろ」
■リリー
「嬉しい。運転さんJR金町駅までお願いしまーす」
と、先程とは変わり高揚するリリー。
■運転手
「散々待たしてワンメーターかよ(怒)」怒る運転手。
・・・・無言の後
■リリー
「ねぇ寅さん、どこまで送って頂けるのですか?」
と、何も喋らない寅さんへの反発なのか少し小馬鹿にした感じで問うと…。
■寅さん やはり顔色一つ変えず淡々と…
「男が女を送るって場合にはなぁ。
その女のうちの玄関の前まで送ると言うことよ」
玄関の前ってのが渋いよなぁ。
■リリー
「ホント?私のうちの前まで来てくれるの?」
■寅さん
「・・・・・・・・・」
■リリー
「運転手さん!奄美大島(実際はローカルな町名)まで!」
■運転手さん
「降りてくれよ。こっちは真面目に働いてんだよ。付き合ってらんねぇよ」
■リリー
「ごめんね。じゃ羽田空港まで。だったら文句ないでしょ?」
■寅さん
「チップはずむからよ」
一瞬、顔が綻ぶ寅さん。
運転手も納得しそのまま空港へと向かうタクシーでした。
と、ここで終るのかと思いきや…。
ぶっきらぼうな寅さんとリリーのやりとりも含め、ここで終らない所が面白いなぁと。
文字に起こすと伝わりにくいけど、前回の第6話のやりとり同様5分程のシーン
この5分間に涙と笑いと意味深いセリフを盛り込んでくる。。。
何か粋だなぁと感じるシーンでございました
機会あれば是非。では
2017.12.08